「勝ち組、負け組」という言葉の気持ち悪さの正体がやっとわかった。

「勝ち」「負け」というのは、複数の要素を比較して初めて生じる概念である。これを「生き方」のような極めて主観的であるものにむりやり適応している所に、違和感の端緒があると思われる。

これは「幸福」が人それぞれであるのに「科学」的にアプローチしようとする可笑しさにも通じる。政治により国民の幸福を実現するのは原理的に困難なことで、一定の法則一本槍で達成できるものではない。どうしてもやりたければブータンみたいに国民一人一人を数十分ずつ面接し、その吸い上げた声を地道に政治に反映させていくしかないと思われる。