昨日NHKプレミアムで

ハイビジョン特集 「妻を看取る日」 〜国立がんセンター名誉総長 喪失と再生の日々〜

を見た。



子供もつくらず生涯を懸けてがんセンターを支え、総長として率いた医者の夫が、妻をがんで亡くす。その死亡を確認するのを最後に、身体所見や精神症状、排便排尿の様子を刻々と記していたのが印象的だった。妻が亡くなって三か月間、絶望の中をはい回るような生活が続いている様子が綴られていた。


あの妻の病状を記すという行動、妻の死をも患者(=あかの他人)の死と同じように観ていたんじゃないかとも思えた。子もいない初老の男が妻を亡くそうとするとき、あんな冷静に記録できるものなんだろうか。


未来の絶望と後悔を防ぐには、あらかじめ徹底的に現実に向かい合っておかなければならない。だけど連れ添った妻との死別って、想像できないつらさなんだと思う。